ワクチンは誰のため?

NYから日本に帰国するにあたって、私たち夫婦はむくの検疫準備のために狂犬病ワクチンを打つ必要に迫られた。

日本政府が認可しているワクチンは「不活化ワクチン」。これに対して、かかりつけの獣医が使っているものは「生ワクチン」。獣医は安全性を重視し、一番副作用の少ないワクチンを使用していたが、不活化ワクチンを打たなければ入国できなくなってしまう。

色々と情報をかき集める中で、初めてワクチンの深刻な危険性を知った。不活化狂犬病ワクチンを猫に接種した場合、非常に進行の早い、悪性腫瘍を発生させる危険性があるということを。
2005/7/1の日記


このような危険性を知っても、已むにやまれず、獣医に不活化ワクチンをとりよせてもらうことになった。首元にうった場合、そこに腫瘍が出来たら摘出が難しくなる。最悪の場合切断できるように、獣医はワクチンを足にうっていた。

ワクチンの副作用を調べる過程で、白血病ワクチンの危険性も知ることになった。もちろんNYのかかりつけ医は白血病ワクチンは勧めなかった。が、ちょうど日本を経つ前に、獣医に勧められるがままに、むくに白血病ワクチン(4種混合)を打ったことがある。あまりの自分のナイーヴさに、猛反省する気分だった。

ところが。おバカな飼い主は同じことを2度繰り返してしまう。



先日、そらの2回目のワクチン接種に行った。

そらはすでにブリーダーさんのところで1回目のワクチンを済ませており、2回目の接種となる。
3種混合をうけさせるつもりだったが、「子猫のうちは免疫を作るためにぜひ5種混合を勧める」という獣医師の言葉があり、そのまま5種混合を接種してもらうことにした。なぜ、そのまま従ってしまったのか、あとになって激しい後悔の念を生じさせることになる。

3種混合…猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症
5種混合…3種+猫白血病ウイルス感染症、猫クラミジア感染症

上記の通り、5種混合は3種に白血病と、クラミジアのワクチンが追加されたものである。
獣医によると、クラミジアは完全室内猫でも発症例があるらしいので、念のため免疫を作っておいた方がいいということであった。ワクチン名は「フェロバックス5」。不活化ワクチンである。

注射後2時間くらい経ってからだろうか、そらの元気がみるみるなくなっていった。動かず、食欲もなく、ただ寝ている。元気だった注射前とは明らかに様子が違う。熱があるようだ。
翌朝、病院に連れて行く。高熱が出ていた。
「猫がワクチンでこんな風になるのは7年ぶりくらいだなぁ。犬だと副作用で顔が腫れる子とかも結構いるんだけど、猫はあんまり(副作用は)出ないのに」
獣医はこう言いつつ、熱が出ても、安静にしていれば1,2日で治るといって、特に治療はしなかった。

そうは言われても、心配は尽きない。ワクチン名を検索すると、非常に高い頻度で高熱などの副反応が現れることが分かった。「7年ぶり」などありえないのだ!

そふぃママさんからとても有益な情報を頂いた(そふぃママさん、ありがとう)。
☆ある獣医師の見解=ワクチンの副作用=について。
☆そしてワクチンの副作用の臨床例について。


改めて上記HPでフェロバックス5について検索してみると、ワクチンの関連性が予想される重篤な副作用が何件も報告されている。そらと同じような経過から「死亡」してしまった猫たち。身震いする思いだった。

そらは幸いにも元気になってくれたけど、自分の浅はかさを痛感した出来事だった。

人間の医療については、患者の権利が叫ばれ、医療内容の開示が進められ、医療環境をめぐる事態は急速に変化してきた。

けれども動物医療はどうだろう?

これだけのペットブームが起こり、コンパニオンアニマルなどと謳われるようになっても、獣医療はいまだベールに包まれたままだ。
医療界と製薬会社の閉じられた世界。ただ獣医に勧められるままに医療を受けるのではなく、飼い主も主体的に関わっていかなければならない。

もちろん、科学(医学)に絶対などありえない。
けれどもたとえ不幸な事態になってしまっても、全く無知で招いた事態よりは、自分で納得の上、選択した結果であるほうが、まだ救われる。


≪獣医師-製薬会社≫の関係が、≪獣医師-患者≫の当事者関係に転換するためには、私自身の意識、つまり飼い主の意識を高めることが一番重要であり、回り道のように見えても、実は一番の近道であるように思う。

たいへん僭越ながら、飼い主一人一人の意識の向上が、よりよい獣医療の実践へと繋がってくれたら…と、願ってやまない。自省を込めて。
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by columbus59 | 2006-05-30 12:53 | | Comments(18)
Commented by エイミー at 2006-05-30 14:26 x
columbusさま 初めまして。。。
エイミーと申します♪
”と・とにゃん”のemirinさんのところで、コメントを書き込んでいたら、同じようなタイミングでcolumbusさんのコメントが入りました。
たまたま、今日うちのはなもワクチン接種してきたところでしたので、すぐにお邪魔してしまいました・・・。

columbusさんは昨年8月末に帰国されたのですね。
私たちは今年の3月末にケンタッキー州より帰国いたしました。
検疫制度について、ワクチンについて、私も調べれば調べるほど 不信感が募ったり 怖くなったり・・・。はなと一緒に日本へ帰ってくるにあたり たくさんのことを勉強したように思います・・・。
でも、まだまだ考えるべきことはたくさんありますよね。。。
今日のワクチンも、悩んで迷って・・・。
今のところ 変わった様子もなくいつものようにの~んびりしているのでほっとしていますが・・・。

初めてお邪魔したので、まだまだ拾い読みですが、過去のブログ とても興味深く拝見させていただいています。これからもゆっくりと遊びに来たいと思っておりますので、よろしくお願い致します♪
長くなってしまって、すみませんでした・・・。
Commented by peko at 2006-05-30 14:34 x
うっわぁ~~(-_-;) 昨年まで、ブルース、ミリィが「フェロバックス5」打ってました。
現在は、ショコラ・ブルースが「パナゲン」ミリィが来月、予防注射しますが、3種に戻す事に決めてましたが・・・・・これほど、「フェロバックス5」が怖いとは思わなかったです。

「強い薬だから、打って1時間後位に、顔が腫れたりしたら連れてきてください」と言われただけでした。

今後、治療や注射される時は、嫌がられても良いから、何のために必要なのか・・リスクなど確認してからにして頂きます。医者を頭から信用はしません。

動物病院の代わりは沢山あるけど、うちの愛するニャンズ達の代わりは居ませんから、今後は煩い飼い主になります(^・^) なんかここで宣言!!してしまいました(苦笑)
Commented by columbus59 at 2006-05-30 21:25
>エイミーさん、こんばんは。
ご訪問ありがとうございます!
検疫の準備は本当にわからないことだらけで…。私が準備を始めた頃は、まだ制度が改正されてからすぐだったので、周りもだれも経験がなく、みんな手探りといった感じでした。ちょうど帰国予定の2ヶ月前あたりから、無事入国できた、という報告が出始めて、色々と体験者のお話を集めたのを憶えています。
狂犬病ワクチンは2週間ほど、接種部位にしこりがないか、チェックするといいそうです。
私もそら(3ヶ月)に不活化ワクチンをうってしまったので、背中を触って大丈夫か確かめてます。
思いつくままに書いたブログですが、読んで頂けましたらうれしいです♪どうぞ今後ともよろしくお願いします。
Commented by columbus59 at 2006-05-30 21:25
>pekoさん
やっぱりフェロバックスは相当浸透してるんですね~!
初回は何ともなくても、2回目、3回目で反応する子も結構いると知って、ますます怖くなりました。私ももう3種に戻そうと決意を固くしました(^^;)。

そらがかかった獣医さんは「強い薬」だとも言わなかったんですよ~。悪性腫瘍について聞いたときも、「そういう話はセミナーとかで聞きますね」程度で、それに対する積極的な考えや予防策は全く持ち合わせていないようでした。
病院ジプシーになってしまいそう。人間の病院選びも苦労しますけど、動物も同じくらいの意識が必要そうですね。かわいいにゃんずに全権委任されてるから、責任は重大です^^。
Commented by そふぃママ at 2006-05-31 08:32 x
さて、ワクチンで盛り上がってきましたが、いったいワクチンて何年くらい
抗体が継続するんでしょうねえ?
次回のワクチン接種は3年後でもいいという話はききますが。
血液検査の費用を考えると安易に毎年のワクチン接種に走っていましたが
今回はいい機会なので獣医に相談してそんなに費用がかからなければ
一度検査してみようと思います。

都内だと獣医も選べますが田舎は、選びようがないのが辛い。。。
Commented by columbus59 at 2006-05-31 13:12
>そふぃママさん
ほんと、ご紹介頂いたHP,勉強になりました。
そちらにもかかれてましたが、毎年接種するか?はまた大きな問題ですよね…。
むくの場合は、アメリカで打ったとき、3年後にと言われたので、今年は接種しないつもりです。血液検査、高いんですか??日本でしたことないのでワクチン以上に高額とは知らなかった!でも、随分色々な情報が盛り込まれているから、3歳以上の猫はやったほうがいいみたいですね。
なんだか人間よりも検査漬け!?(笑)

わが家は今、車がないんで、結局近所の医者しか行けないんですよ~。どちらかというと、個人経営の小規模なところが多いし。次はどこに行くべきか。。
Commented by springfever at 2006-06-01 04:02 x
凪を引き取ってから使ったワクチンが3種のフェロバックスでした。
初めて打ったワクチンと種類が違うことに不安を覚えながらも、
そんなに違いがあるものだとは思わずに
疑問にして聞いてみることをしなかったのが我ながら情けないところです。
また、2回目以降にアレルギー反応があるかもしれない、と聞きさらに驚きです。
もうすぐ次回ワクチンの時期なので、ほかの選択肢があるか問い合わせてみたいと思います。
うちの地域はノラさんが多く、はからずもトイレの世話までさせられる状況なので
感染症にはかなり過敏になってしまいます。
ワクチンで全て解決、というわけにいかないのも歯がゆいですね。。
Commented by columbus59 at 2006-06-01 17:59
springfeverさんのところもフェロバックスでしたか。でもまだ3種は5種よりましかも…。
3種はやはり必要なワクチンのようなので(毎年追加接種が必要かは別として)、どのワクチンを選ぶかが重要ですよね。なるべく副作用のないものを選びたい。
意外に1回目より、2回目の方が副反応が出る子が多いようですよ。蜂にさされた時みたいな?
そちらは外猫さんが多いんですか~。お庭があって、そこに猫さんたちが来てるなら、やっぱりワクチンは必須ですよね。凪君はお外に出ないだろうけど、人間が踏んだ靴でも感染する可能性があるようなので、springfeverさんが過敏になるのも、ごもっともだと思います。
Commented by そふぃママ at 2006-06-03 13:06 x
さて、本日そふぃの3種ワクチンをうってきました。
抗体検査してもよいかな・・と考え行ったのですが今日は土曜日なので
患犬が多く、中には皮膚病やら、あきらかにシャンプーしてない
手入れされてないワンコがいたりで出直そうか迷ったんですが、キャリーバックから
出さずにワクチンだけ摂取。
患者が多くて詳しく聞けなかったのですが・・・。
Q:何故1年ごとに摂取が必要か
A:ワクチンは2年で抗体が45%まで落ちる。(パナゲンについて)
抗体が落ちると感染した場合発病率が高くなる、又飼い主が菌のキャリアーに
なり、靴底についた菌よりも飼い主の肺にはいった菌が感染する場合がある。
Q:何故頚部に注射するのか
A:足に注射するのは万が一、切断しかない
頚部の皮膚が猫の身体の中で一番皮膚に余裕があるから、万が一切除の場合
足切断よりは良い。
*注射は頚部の皮下注射である。
詳しくはシシィのワクチン接種のおりにまた聞いておきます。
Commented by そふぃママ at 2006-06-03 13:17 x
飼い主の肺に菌が入る。。。。これは初耳でした。
たとえばタバコを吸うとそのタバコの成分が排出されるのに3ヶ月かかる
そうです。
それと同じではなくても菌が排出されるのに、其の間飼い猫と隔離した生活なんて
できませんよね。w
肉腫についてはやはり白血病ワクチンが多いそうですが、1000匹に1匹の
確率だそうです。
注射そのものでもできる子は肉腫ができるようです。
そうなるとワクチン云々の問題ではないですが。
Commented by そふぃママ at 2006-06-03 16:06 x
忘れてました。
菌はもちろん、着てる服にもつきます。
それと抗体が2年で45%まで下がるというデータは製薬会社のものなので
この数字を鵜呑みにしてよいか、は各飼い主が自腹をきって抗体検査するしか
ないわけです。
検査費用は病院によるでしょうが、1万数千円。
Commented by birdy at 2006-06-04 09:47 x
歳ちゃんの受けたワクチンは「フェロセルCVR」でファイザー製薬のものでした。先の副作用のデータベースではヒットしませんでした。少し安心。
なんというワクチンを接種されるのかいままで気にもしませんでしたが、これからは必ず接種前になんと言うワクチンなのか確認しようと思います。

そふぃママさん レポート有り難う御座いました。獣医さんもそれぞれですね。
Commented by columbus59 at 2006-06-05 00:30
>そふぃママさん、貴重な情報をありがとうございます!!
そふぃちゃん、ワクチンお疲れ様でした。今は時期的に犬が多いみたいですね。フィラリア予防の季節も始まったし。
まずはちゃんと説明してくださる先生なのですね!それもかなり点数高いかと。パナゲンは教えて頂いたサイトで検索しましたが、副作用はヒットしませんでした。安全なワクチンとのこと、生ワクチンでしょうか?
肺に入った菌とは知りませんでした(驚)。やっぱり総合して判断すると、室内猫でも3種は必ず必要のようですね。
でもやはりそふぃママさんの仰るとおり、製薬会社のデータというのが気になり、1年ごとに追加接種が必要なのかはグレーゾーン??
欧米の主流が正しいとは思いませんが、あちらではやはり日本と違って足に打つのが主流のようです。頚部の切除が簡単ならば、なんで足なんだろう。。
私も今後も情報収集しますね。
ほんと、いろいろと勉強になります。ありがとうございます!!
私もこれからパナゲン3をお願いすることにします。
Commented by columbus59 at 2006-06-05 00:31
birdyさん、ワクチンにも色々な種類があるんですね。
じゃあ、獣医師はどのように、ワクチンを選んでいるんだろう・・・。考え出すと本当に疑問が色々出てきます。でも、こうやって皆さんと色々情報交換ができて本当に助かります。

わが家もこれからそらの去勢手術も控えているし、信頼できる病院を選ぼうと思います。電話で「何のワクチンを使ってますか?」っていきなり聞くのは失礼かしら…^^;
Commented by そふぃママ at 2006-06-05 11:14 x
電話でいきなり質問しても全然失礼じゃないと思いますよ。w
ワクチン摂取のまえに、獣医との信頼関係が大事ですよね。
そら君、去勢もひかえてるし、手術前に健康診断してもらうほうがいいかもですね。
私は今の獣医にかかる前に近所の病院に片端から電話して、一番応対の良い
病院にしました。
電話応対も満足にできない病院はやはりそれなりです、クチン接種の前に健康診断の名目でどんな病院、獣医か探りいれましたもん。w
行かれる前に電話応対もチェックすると良いと思います。
Commented by みわこ at 2006-06-05 17:33 x
えっと、私も気になって、ワクチンの種類を見たらフェロバックス3でした。
実は去年行けずじまいでそろそろ・・・と思っているところでした。
今までの獣医さんはとても親切丁寧なんですが、家からちょっと遠くて、前に一度行った事のある近所の病院に電話して聞いてみたところ、はっきりとワクチン名?は教えてもらえず、いろんな組み合わせがありますよ~っと・・・??副作用はやはりあるものでその子によっても症状が違うので一概に言えないです~との事でした。皮下注射との事で、やっぱり首の後ろかな?私も小心者で(笑)フェロバックスですか?と聞けませんでした^^; はいはいはい~って感じだったので、問い合わせが多いのかな?それとも、そんなこと聞く人いないよ・・・と思われたのかな?(笑) でも、大事な家族のことなので把握しないと~ですよね~。
Commented by columbus59 at 2006-06-05 18:23
>そふぃママさん
電話対応にも一端が現れてるってことですね。がんばって電話してみよう~。

ところで、相方の友人で高度医療の臨床経験もある獣医学博士の方がいて、現在は臨床のほうはやってないらしいんですが、利害関係がない意見が聞きたくて、早速相方経由で質問してみました。

①ワクチン誘発性肉腫は、確かに報告はされているし、実際の症例を診たこともある。
でも、同じ場所に射ち続けなければ発生率はかなり低い。
②とくに室内飼いの場合には2年目以降のワクチンは毎年射つ必要はない。
③肩甲骨の間にワクチン誘発性肉腫ができると、完全切除が難しい。心配なら足にうってもらうとよい。

・・・だそうです。専門家の意見も割れていますね。
毎年のワクチン接種は、獣医にとってはかなりの利益になるし、万が一、毎年打たずに発症した場合のリスクを考えると、そふぃママさんのかかりつけ医の意見も判る気がします。
結局色々な意見を聞いて、飼い主が判断するしかないということでしょうか。やはり、むくのワクチンは今年はやめておこうと思います。
Commented by columbus59 at 2006-06-05 18:31
>みわこさん
フェロバックス、もしかしたらシェアNo.1なのかもしれませんね~@@
結構副作用の報告例が多いのに、どうしてか…。
色んな組み合わせですか~。それって3種+白血病ワクチン別にとか、4種混合とか、そういうことかなぁ?たしかに体質や体調で副作用も色々あって一概には言えないっていわれちゃいそうですね。
獣医さんもあしらい上手なひとがいるし、私もつい気弱になって、ぐいっとつっこめないんです…[汗]。恐るべし、専門家支配。
でもこれからは、「パナゲン3種を足に打ってもらえますか?」と頑張って問い合わせたいと思います。

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