23日に放送されたNHKスペシャル(立花隆 思索ドキュメント がん 生と死の謎に挑む)は考えさせられる内容だった。
ちょうど一昨日に義母の職場の同僚が、大腸がんの転移により50代で亡くなったという話を聞いたばかりだったので、なおさら。。 いま、日本人の2人に一人ががんになり、3人に一人ががんで亡くなる時代だという。 あるアメリカ人研究者の言葉が印象的だった。 人間は生きている限り、がんになる。がんにならないほうが奇跡なのだ、と。 人体という非常に複雑な生命体を維持するためには、複雑なシステムの中で日々、情報伝達がなされており、遺伝子のコピーミスが偶然に起こるのは至極当然のことであること。 人類の進化の過程で獲得した受精から誕生、成長にとって不可欠の機能が、ガン細胞の増殖・転移のために使われていること…。 最新の研究成果を知れば知るほど、がんを克服するのがいかに困難なことかが、次第に明らかになっていく。 転移してしまうと、残された治療法は抗がん剤治療しかない。 しかし、抗がん剤は、がん細胞の親玉(幹細胞)には効果がなく、親玉は抗がん剤に耐性を持った新たながん細胞を生み出していく。 同時に、抗がん剤は正常な細胞も攻撃してしまうため、多くの副作用をもたらす。 そのことを知った立花隆は、もし、自分の膀胱がんが転移しても、「数か月の延命のためにQOL(クオリティオブライフ)を下げるという選択はしない」と言う。つまり抗がん剤治療は選択せずに残された時間を過ごすことを望んでいると語る。 「死ぬまでちゃんと生きることこそが、がんを克服するということなんじゃないでしょうか。」 人知を超えた自然が生み出したがんが克服不可能な人類の宿命だとしたら、本当に、どう最期を迎えるかこそが、再発したがんとの向き合い方なのだろう。 そして転移を防ぐためには、がんが進行する前に早期に発見することが一番。 転移がんを直接攻撃する有効な手立てはなくても、がんを見つける検査(検診)技術は日々向上しているようなので、敬遠しないで定期健診を受けることが大切なのだろう。
by columbus59
| 2009-11-24 21:34
| ひとりごと
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