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不活化ワクチン:検疫所への私の回答

以下、検疫所の回答(ひとつ前の記事参照)を受けた私の回答です。
長いので、Moreをクリックしてくださいね。



【検疫所への返信】
不活化ワクチンの必要性について、(おそらく)厄介な質問に対して、誠実にご回答頂いたことをとてもありがたく思っています。

現場で問い合わせ等に丁寧に対応下さる職員のみなさまにはいつも感謝しております。
また、法律が、専門家の意見を基に立法者によって成立するものであることも自覚しています。そのため現行制度に対しての疑問点を現場の方へ表明するのはおそらく筋違いかもしれません。が、他に当事者としての意見を表明する場所が思いつかないため、このメールで述べさせて頂ければと思います。


今回の不活化ワクチンによるしこりの発生は本当に不運な出来事であったと思います。
生存ウイルス粒子を含む生ワクチンを接種した場合、体内で狂犬病を発症するリスクがある、というのも理解できます。ただ、本当に生ワクチンによる発症例があったのか、あるいは不活化ワクチンによる副作用の頻度との比較など、エビデンスを正確に見極める必要性はなお残っていると思います。

紹介いただいたThe OIE(国際獣疫事務局)のサイト、EUのサイトも拝見しました。
検疫を行う主体であるこれらの組織と、現場で動物を治療する獣医師の観点は当然ながら異なるものであり、前者が「検疫」というものにプライオリティを置けば、やはり「不活化ワクチン」の指定となるのだと理解しました。すなわち、安全性を見極める観点が、個々の動物にあるのではなく、「検疫」にあるということです。

狂犬病が非常に恐ろしい感染症であり、その発生を過去半世紀も封じ込めてきた日本が、弱毒化されたものであっても、生存ウィルスに非常にセンシティブになるのは理解できます。
しかし同時に、犬や猫というペットも、飼い主にとっては命を持った尊い存在です。ましてや、海外へ帯同する飼い主は、ペットへの責任感という点において、きわめて高い意識を持った人々であると思います。それだけ家族同然としてかわいがっているということです。

そのうえで、多数を救うためには少数の犠牲はやむなし(長与専斉の言葉です)という価値観を、飼い主が甘受しなければならないならば、やはり、その妥当性、根拠について(法を守らせる側は)常に新しい情報に対して積極的であり、接種回数の妥当性などを含めた現状に対し、常に自省的な目を向ける態度であって欲しいというのが切なる願いです。
by columbus59 | 2011-01-14 01:13 | 猫の検疫準備録 | Comments(2)
Commented by birdy at 2011-01-14 12:03 x
むくそらママさん こんにちは~
日本のお役所仕事にしては素早い対応ですね。
こんなに早く回答が出てくるとは思いませんでした。
ある意味関心。

回答は予想通りの回答でしたね。
観点が違うから話は平行線ですね。
ペットもその他の動物も一緒に一くくりにすると、
こういう対応になるのでしょう。

ワクチンの接種についてもう少し細分化されたら、今回のそらちゃんのケースの様な事も減るかもしれないのに。と思います。
むくそらママさんの気持ちはよ~~~く解ります。
やりきれない気持でしょうが、今回の件で一石を投じることになったたと思いますよ。
改善される日が来ると思います。
そらちゃんお大事に。
しかし、こういう制度って誰が確認して認証するんですかね。
厚生労働大臣なのか?お役所で決まっちゃうのか?
調べてみようとおもいます。
ではまた~
Commented by columbus59 at 2011-01-15 12:59
birdyさん
検疫所の職員さんの対応はいつも早いんですよ~。(お役所なのにね)
手続きがややこしいので、迷った時はいつもメールをするんですが(みなさんそうしているらしく)きっとかなりの数の問い合わせに対応しているにも関わらず、1,2日中に回答してくれます。

ただ、このワクチンに関しての質問には、「上司に相談してから返答」ということで、少し時間がかかりましたが。。。

birdyさんご指摘の通り、検疫という観点から見ると、ペットも家畜も何もかも同じリスクを抱えたものなんですよね。
そもそも完全室内飼育の猫など、たとえアメリカでも狂犬病に感染する可能性は皆無だと思いますが、そのような個別性は考慮されない。

このような法律は、まずは専門家の意見を聞く委員会があって、その後さらに衆参両院の委員会で審議⇒国会(両院)に法案として提出、という流れだったと思います(私の認識が正しければ…)

はぁ~~~。
やり場のない気持ちにお付き合い頂き、birdyさん、ありがとう!!
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